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読書記録

吉村昭 自選初期短編集 Ⅰ 『少女架刑』

タイトルから、

古谷兎丸および丸尾末広イズムを感じ、怖いもの見たさで思わず借りてみた👻

結論として、当初のイメージとは全く違う感じだったけどとても良かった!

 

読後は映画やマンガを見たような錯覚が起こったので、まとめてみた。

 

【死体】

つげ義春の絵で再現🪨🌹

冒頭のショッキングな人身事故シーンよりも、沼地に住む人妻の「つげ味」のある日常生活の描写が生々しくとてもよかった。

 

【青い骨】

初期萩尾望都絵で再現🫀🦇

病弱な友人、心が少女のままな母、母に思慕を募らせる紳士、傍観する主人公。

萩尾望都だよな~、この世界観。

 

【さよと僕たち】

(見たことないけど)たぶん新海誠映画🌤️🌠

不遇な環境に置かれているきれいな少年少女が、時にはマキャベリズムな手段を用いてでも生きていく覚悟を決めた、「ぼくたちの秘密」を共有する青春譚。

←合ってますかね?

 

【鉄橋】

石原プロみたいな絵面🥁🌞

ある有名ボクサーの死を通してさまざまな目線で原因を探るが、真相は全然違ったというミステリー作品。他の作品と違ってエンタメ感が強かった。

 

【服喪の夏】

なぜかジブリの絵で完全再現された🌳🐱

主人公、おばあちゃん、女中、いとこの女の子とその両親・・・みんなジブリ顔で頭に浮かんでくる。内容はホラーミステリー?だけど、庭の描写が瑞々しくてさわやかなんだよな~久石譲的な音楽も聞こえてくる。

もしかしたら、既に10年前くらい前に公開されてたような錯覚がした🎬

 

【少女架刑】

楳図かずお🐍!

主人公が「おろち」的美少女決定。解剖の描写が半端ないけど、かえって淡々と書いてあるので教科書みたいに普通に読めた。

全ての役目を終えた少女の環境描写に、悲しい中にもメルヘンを感じた。

 

さよなら、私は、小さくつぶやいた。

↑ なんかジーンとしました😢

 

【星と葬礼】

宮沢賢治感があった📚

家に居場所がない少年と幼い女の子の物語。少年は特定のスキルで社会的な居場所を見つけられたけど、女の子は無理だった。「少女架刑」もだけど、悲しい物語に「星」が入るといっきにメルヘン感が高まる気がする。