吉村昭 自選初期短編集 Ⅱ 『透明標本』
前回読んだ第1弾の『少女架刑』はマンガやアニメで脳内再生されたけど、
今回は実写で再現された。
どれもおもしろかたので、是非ガンガン実写化してほしいところ。
【墓地の賑わい】🐤🐤🎨🖌️
カラーひよこの制作および流通について詳しくなった。
舞台はおそらく谷中霊園近辺か🤔?イメージとぴったりすぎて追体験がはんぱなかった。
【透明標本】🩻🦴
キターーーーーー!!!!
これ「少女架刑」のスピンオフだ!!
若い医師たちが年配の医師らしきじーちゃんを邪険にしていた謎がスッキリ!
でも彼らの性格の悪さが折り紙付きとなった😓
【電気機関車】🎡🎠🚗
親ガチャ大失敗の気の毒な子供のお話し。
金だけはそこそこありそうな家のなので、中学から全寮制の学校に通うことをお勧めする。
【背中の鉄道】🛤️🚋🚋
親の手術痕がまさにこんな感じで、担当医師からも「線路みたいになったね」とか言われていたから、わりとスタンダードな表現なのだろう。
【煉瓦塀】🐴💉
「火垂るの墓」っぽかった。環境の変化に順応していく妹と、受け入れられない兄。
こっちのお兄ちゃんの方が幾分マシではあった。血清の作り方・・・
【キトク】👴🎉😠😠💢
クズおやじの性格をほぼ受け継いだ兄弟が父親に振り回される話。
察しながらも父親のウソに付き合ってあげるのは親孝行だと思った。
「星への旅」🌊🍻🚛
これ映画化してないの??なんで??
70年代とかに映画がヒットして社会現象になってないの???
風邪薬とストゼロを大量摂取してる東横キッズたちがこれを読んだらどう思うのかな。
「分かる~」と思ったらダイブしちゃうと思うし、「たのむ!死なないでくれ!!」と思ったら自分のこれからを見つめ直すかもしれない。
本のいい所は、ある程度自分の本心や願望に都合よく調子を合わせながら追体験ができるところだと思う。フォーカスする部分をかえられるというか・・・
だから、本気で死にたい子が読んだら死んじゃうし、本当は変わりたいと思っている子がいたら背中を押してくれる作品だと思った。
ちなみにこの港町って『破船』の村の未来の姿っぽいところがあって、先に読んでおいてよかったと思った。村は相変わらずの寂れようだけど・・・
吉村昭 自選初期短編集 Ⅰ 『少女架刑』
タイトルから、
古谷兎丸および丸尾末広イズムを感じ、怖いもの見たさで思わず借りてみた👻
結論として、当初のイメージとは全く違う感じだったけどとても良かった!
読後は映画やマンガを見たような錯覚が起こったので、まとめてみた。
【死体】
つげ義春の絵で再現🪨🌹
冒頭のショッキングな人身事故シーンよりも、沼地に住む人妻の「つげ味」のある日常生活の描写が生々しくとてもよかった。
【青い骨】
初期萩尾望都の絵で再現🫀🦇
病弱な友人、心が少女のままな母、母に思慕を募らせる紳士、傍観する主人公。
萩尾望都だよな~、この世界観。
【さよと僕たち】
(見たことないけど)たぶん新海誠映画🌤️🌠
不遇な環境に置かれているきれいな少年少女が、時にはマキャベリズムな手段を用いてでも生きていく覚悟を決めた、「ぼくたちの秘密」を共有する青春譚。
←合ってますかね?
【鉄橋】
石原プロみたいな絵面🥁🌞
ある有名ボクサーの死を通してさまざまな目線で原因を探るが、真相は全然違ったというミステリー作品。他の作品と違ってエンタメ感が強かった。
【服喪の夏】
なぜかジブリの絵で完全再現された🌳🐱
主人公、おばあちゃん、女中、いとこの女の子とその両親・・・みんなジブリ顔で頭に浮かんでくる。内容はホラーミステリー?だけど、庭の描写が瑞々しくてさわやかなんだよな~久石譲的な音楽も聞こえてくる。
もしかしたら、既に10年前くらい前に公開されてたような錯覚がした🎬
【少女架刑】
楳図かずお🐍!
主人公が「おろち」的美少女決定。解剖の描写が半端ないけど、かえって淡々と書いてあるので教科書みたいに普通に読めた。
全ての役目を終えた少女の環境描写に、悲しい中にもメルヘンを感じた。
さよなら、私は、小さくつぶやいた。
↑ なんかジーンとしました😢
【星と葬礼】
宮沢賢治感があった📚
家に居場所がない少年と幼い女の子の物語。少年は特定のスキルで社会的な居場所を見つけられたけど、女の子は無理だった。「少女架刑」もだけど、悲しい物語に「星」が入るといっきにメルヘン感が高まる気がする。